2013年8月18日日曜日

つまずきの石



バーバラのベルリン情報。
これは「Stolpersteine(シュトルパースタイン)」という石で、日本語にすると「つまずきの石」とか「障害物」って意味。
ベルリンのアルムシュタット通り(Almstadtstrasse、旧名:グラナディア通り Grenadierstrasse)に埋められたこの石の真鍮のプレートには名前が彫られてる・・・
「RITA WITELSON」さんはここに住んでいてナチスによって強制送還されて殺されたんだ。プレートを見ると生まれた年(JG = Jahrgang)が1930年で、1942年に強制送還(DEPORTIERT)だからまだ12歳だったんだ。この「Stolpersteine」のホームページにはポーランドのソビボル強制収容所(ソビボル絶滅収容所)に強制送還されたって書いてある・・・(http://www.stolpersteine-berlin.de/en/biografie/748



この石のまわりにはあと5つの石も一緒に埋められてて、それはRITAさんのお母さんと兄弟たちのもの(お父さんのことは不明)。
「Stolpersteine」は通行する人々に、ナチスによって犠牲になった人々のことを思いださせるんだ。まるで、石につまずいてその存在に気付く様に・・・
この当時のグラナディア通りにはたくさんのユダヤ人家族が住んでいたんだ。



この「Stolpersteine」はベルリン生まれの芸術家グンター・デムニック(Gunter Demnig)さんが始めたホロコーストによる犠牲者のことを後世に伝えるための作品。まるで小さな墓石の様・・・
10cm×10cmのコンクリートのブロックに真鍮のプレートが付けられたこの石は、その大多数がドイツにあるけど、その他にもオーストリア、ベルギー、クロアチア、チェコ、ハンガリー、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ロシア、ウクライナにも埋められてるんだ。
ホロコーストの起きる前、ドイツではユダヤ人ではない人が石につまずくと、「ここにユダヤ人が埋まってるに違いない」って、ひどいことを言ってたみたい。



今日、にぎやかで衣類や靴のデザイナーズショップが立ち並ぶベルリン=ミッテ区のローザ=ルクセンブルク=プラッツに通ずるこの長い通りは、静かで穏やかでバーバラのお気に入り。でも、殺された多くの家族のことを思うととても悲しいし、このことを思い出すことはとっても大切とバーバラ。

ベルリンはポップで楽しいだけじゃ無い、こうした恐怖の過去もしっかりと伝えてるんだニャ・・・


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